医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ

一般皮膚科・形成外科 General dermatology / Plastic surgery

一般皮膚科・形成外科

あざ(血管種、太田母斑など)

  • 吸収率の差を利用
  • メラニン色素を破壊
  • 子供の方が効果

「あざ」の治療は、これまでなかなか難しかったのですが、最近はレーザーの発達により、手術療法やドライアイス療法に比べて、優れた効果が得られるようになりました。

吸収率の差を利用

現在、あざの治療に使われているレーザーには、ルビー、ヤグ、ダイレーザーなどがあり、あざの種類により、使い分けられています。
あざには血管が異常に繁殖してできた赤あざ、メラニン色素が皮膚の比較的深い部分にまばらに存在する青あざ、異常増殖したメラニン細胞の1種から成る黒あざ、しみと間違えやすい茶あざがあり、白斑(はん)の白あざを含めると5種類あります。
レーザー治療では、皮膚組織の大部分をつくっているコラーゲンや赤血球に含まれるヘモグロビン、メラニン色素などで、レーザーの吸収率に差があることを利用します。
吸収率はレーザーの波長によって異なり、レーザー光が色素に吸収されるとエネルギーが熱に変わり、その熱により、組織が破壊されて細胞が死に、あざが消えていきます。

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メラニン色素を破壊

例えば、ルビーレーザーはメラニン色素によく吸収され、真皮をつくっているコラーゲンや血管中に多いヘモグロビンには吸収されにくい性質があります。このため皮膚や血管の損傷が少なく、メラニン色素を含むメラニン細胞だけを破壊でき、青あざ治療ができます。
ヤグレーザーもほぼ同様の性質を持っています。ダイレーザーの場合はヘモグロビンによく吸収されるが、コラーゲンには吸収されにくいので、血管が集まってできた赤あざ治療に使われます。

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子供の方が効果

黒あざは、毛根を中心に深い所まであることが多く、いったん治ったように見えても再発することが多々あります。茶あざも毛根部分が関係しており、再発するので最も治療が難しい部類に入ると言われています。
レーザー治療では、痛みを避けるため、大人は局所麻酔、子供は全身麻酔をします。
1回照射後、3~4ヶ月から半年おいて、いったん皮膚を休ませてから2回目を実施。治癒する場合で同一部位を4、5回するのが普通です。
治療する時期は早ければ早いほど良いと言えます。子供のころの方が皮膚の厚さが大人の半分ぐらいと薄く、レーザーの効果が大きいからです。
最近はレーザーのパルス照射の時間的な幅が広がるとともに、出力も高く、照射スポットの面積も大きくなり、その分、深いところまで届くようになって治療効果がアップしつつあります。また、皮膚表面を冷却しながら治療できるようになり、痛みも減少、やけどで治療後にむけていた表皮がむけなくなりました。
現在、レーザーによるあざの治療は、健康保険が利くようになりました。
あざ以外では、入れ墨は回数を重ね、表層から順番に治療していけば、2年ぐらいできれいに治ります。

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