医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ

一般皮膚科・形成外科 General dermatology / Plastic surgery

一般皮膚科・形成外科

アトピー性皮膚炎

  • 正確な判断と的確な病状の把握
  • スキンケア
  • 適切な治療薬の選択
  • 生活環境のアドバイス
  • 治療について

アトピー性皮膚炎に関しては診断から治療法にいたるまで非常に混乱しているのが実状です。ステロイドの副作用を必要以上に煽り立てた一部のマスコミの影響で不正確な情報を患者さんが信用し、それにつけ込んだいわゆるアトピービジネスの被害に遭い高額の金額を支払ったあげくに悲惨な皮膚になって最終的に皮膚科に泣きつく患者さんが後を絶たない状態です。
間違った治療と情報の氾濫をくい止めるためのガイドラインが厚生省と日本皮膚科学科から公式に発表されました。その、ガイドラインに沿った正統的な治療が現時点では最も有効な治療法と考えます。
それでは、その正統的な治療とはどのようなものなのでしょうか?根拠の曖昧な民間療法に頼るのではなく医学的な臨床データと根拠に基づいた治療が正統的な治療です。次に正統的なアトピー性皮膚炎の治療の要点を記してみます。

正確な判断と的確な病状の把握

本当にアトピー性皮膚炎なのか?他の皮膚病と誤診されていないか?アトピー性皮膚炎の皮膚症状は多彩であらゆる皮膚症状を熟知していないと他の皮膚病を間違えてアトピー性皮膚炎と診断してしまいます。皮膚科学会の認定した皮膚科専門医を受診することが何よりも大切です。
また、アトピー性皮膚炎の診断は正しくても、今の皮膚の状態をどのように捉えるかで治療法も異なってきます。
皮膚科以外の医者に間違った食事療法を長年指導されて栄養不良になり発育障害を来したり不必要なステロイド剤を内服したり、外用したりして副作用に苦しむ患者さんを診察する事も珍しくありません。
正しい治療のためには的確な病状の把握が大切です。

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スキンケア

アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は健常な人の皮膚と比べて異なる点がありますが、重要なものに角層という皮膚の最外層の機能異常があります。
アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚には皮膚の水分を保持するのに重要な役割を果たすセラミドという脂質が少ないことがわかっています。そのために皮膚からの水分の蒸散が増加して乾燥した皮膚になりがちです。
アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は乾燥して、痒みを感じやすくなっているだけでなく実際のバリア機能も低下していることが知られています。そのために健常の皮膚には浸入できないダニやハウスダストなどの抗原が角層を通過してアレルギー反応による炎症を皮膚に生じます。
そのために皮膚の乾燥状態や炎症症状の有無によって、保湿剤を中心とした適切なスキンケアと皮脂の洗浄の正しい指導はアトピー性皮膚炎をコントロールする上で柱とも言うべき大切な物です。

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適切な治療薬の選択

アトピー性皮膚炎に関わらずどのような病気でも必要最小限の薬で治療するのが基本であると思います。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合は皮膚の状態によってはいくらスキンケアに力を入れてもいっこうに回復が望めない時期があります。明らかな湿疹性の病変には必要最低限のステロイド剤の外用は必須です。
また、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬を正しく組み合わせることによって皮膚症状を楽にして外用剤の副作用を最小限に抑えることができます。
また、顔や頸部の皮膚炎にはステロイドではないタクロリムス水和物が近年、アトピー性皮膚炎の治療薬として認可がおりステロイドの副作用を心配せずに治療することが可能になりました。

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生活環境のアドバイス

アトピー性皮膚炎、特に成人のアトピー性皮膚炎の場合食物のアレルギーが影響するケースは希です。それよりもダニやハウスダストなどの影響が大きい場合が多いです。
血液検査やスクラッチテストなどのアレルギー検査を試行して患者さん個々のアレルギー環境に合わせた生活指導が薬に頼り切らないアトピー性皮膚炎のコントロールには大切です。

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治療について

アトピー性皮膚炎の治療には、以下のような方法があります。

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