医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ

Doctor's Blog

新しい治療法 スキー

2010年2月12日(金)

前回のブログから半年近く経ってしまいました。 今年は月に一回の更新を目指して頑張ります。
今回は最近取り組んでいることを、とりとめなく書いてみたいと思います。
 皮膚に関する全てのことに専門性の高い医療を提供するのが、私のクリニックのポリシーであります。実際、皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科、アレルギー科という広い領域から、様々な悩みを持った患者様がクリニックを訪れます。私が今関心を持って調べたり,色々なドクターに教えを請うたりしていることも多岐に渡り、ざっとあげてみると,眼瞼下垂症の手術のバリエーションをもう一度見直す、難しいと言われる鼻尖形成術をその分野のスペシャリストと現時点でのベストの方法および問題点を確認する、シワ治療のヒアルロン酸の注入剤に応じた注入の深さの再確認と,複数の注入剤を組み合わせる注入法の確立、ケミカルピーリングの前処置、後処置の見直し、ステロイドだけに頼らないアトピー性皮膚炎の治療、巻き爪、陥入爪の治療を進化させる、などなどありますが、今回は美容を離れて爪とアトピー性皮膚炎の治療に関して簡単に(本当に簡単に)書いてみたいと思います。
 巻き爪,陥入爪の新しい治療法VHO式のワークショップに昨年から数回参加してみました。その結果この治療法は非常に有効であることを確信して私のクリニックでも積極的に取り入れるようにしました。爪のサイズに合わせて一つ一つ手作りで矯正器具を作り爪の湾曲部位に装着します。装着時に痛みや出血はなく,麻酔もいりません。器具を人工爪でコーティングするのでソックスなどに引っかかることもなく,日常生活に何も支障はありません。スキーもできます。
当院では、従来はフェノール法による外科的な治療か形状記憶金属による爪の湾曲の矯正を主に行っていました。最近はほとんどが新しいVHO式で治療を行い非常によい結果を出しています。詳細はhttp://www.vho.jp/index.html を参照してください。
 アトピー性皮膚炎の治療に関しては皮膚科学会が作っているガイドラインがあり医学的な根拠がある治療を行うための重要な指針になります。皮膚科の専門医はまずこのガイドラインから大きくはずれた治療はしないと思います。アトピー性皮膚炎の治療の中心はいまだにステロイドの外用療法が中心で、皮膚科専門医が正しく行えば副作用はほとんど生じません。しかし、ステロイド外用だけではどうしても病状のコントロールできない場合のナローバンドUVBによる光線療法、ネオラールという免疫抑制剤内服による治療がガイドラインにも明記されています。私もこの二つの治療の文献を読みあさり、製薬会社からも情報を提供してもらいステロイド外用に頼り切らない治療を行える体制を作りつつあります。ナローバンドUBVは試験的に2月に導入、正式な導入は5月か6月頃を考えています。ネオラール内服療法はすでに行っています。
 さて、前回のブログで報告した足の痛みはかなり時間がかかり結局札幌マラソンに参加することはできませんでしたが、ようやく完治。今はスキー1級受験を目指して練習に励んでいます。休みの水曜日は必ず、仕事が終わってからもナイターで自宅近くのばんけいスキー場を一時間、週に3〜4回ほど滑っています。ずらしの少ない急斜面小回りとこぶのバンクラインを使った滑りに苦労しています。大腿が肉離れ寸前でかなり危険な状態なので札幌マラソンの二の舞にならないよう気をつけようと思ってます。