医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ

Doctor's Blog

学会,スレッドリフト

2009年10月8日(木)

皆様 こんにちは 天祐会 皮膚科形成外科の総院長、伊丹です。
報告がかなり遅くなってしまったのですが二つの学会に行ってきました。
今回はその一つ、日本美容外科学会第105回学術集会に関して。
組織会長が衣笠先生ということもあり大阪まで行ってきました。衣笠先生は私の尊敬する美容外科の大先輩です。美容医療に取り組む真剣な姿勢にはいつも感動させられます。また大御所でありながら謙虚で決して奢ることなく素晴らしい人格の持ち主で、お目にかかるたびに人間的に重要なことを教えられることが必ずあります。
衣笠先生主催ということもあり、学会は大盛況でした。会場に人が入りきらずあふれていました。学術集会でここまでの盛況は初めての経験でした。
演題も興味深いものが多く、そのなかでもスレッドリフトのシンポジウムは大変に魅力的でした。
スレッドリフトの経験が豊富で実績のある6人の美容外科医がそれぞれの術式を発表して更に最後に議論するという画期的なものでした。座長は当院の顧問でもある征矢野先生、6人の演者の一人は個人的に親しいタカナシクリニックの天才美容外科医 高梨先生ということもあり私も真剣にシンポジウムに参加してきました。私の得た結論としては、
1、適応の選択が非常に重要  スレッドリフトはあくまでも軟部組織の下垂の改善するもので、皮膚があまりにも余剰なものは改善が難しい 2、糸を通す皮膚のレイヤー(深さ)が非常に重要  深すぎると効果を出しづらく浅すぎるとダウンタイムが長くなる 3、断端を固定する長糸系(シルエットリフトなど)と固定しないフローティングタイプの短糸系(アプトスなど)を組み合わせてそれぞれの特長を最大限に引き出す事が重要
が主なところです。
当院のスレッドリフトはフローティングタイプの糸も断端を固定する独自の方法のためリフティングの程度が患者様の要望に合わせることができます。当然短糸、長糸を組み合わせておこない、糸を通すレイヤーは皮膚の厚さに応じてジャストの設定で行います。
 
ところで大阪の学会で少し痛めていた右足の靱帯が悪化して歩行も困難になりしばらく松葉杖を使うほどでした。過度なランニングが原因なのですが回復まで1ヶ月かかってしまいました。何事もほどほどにとよくアドバイスを受けるのですが、性格的に限界まで追い込まないと気が済まない性分で困ったものです。